深い深い愛情の海

おじいさんが改修工事に携わったという
ゆかりの深いお寺で、
しめやかに営まれたおじいさんのお通夜。

夜の冷え込みが強いので、
私はひと足先に実家に戻らせてもらうことに。

「大丈夫か?」と旦那に聞かれ、
「産気づいたら呼ぶわー」と冗談で返す。

なのに、お風呂に入ろうとすると
おしるしのような・・破水のような・・!?

ぎゃー!!!


と、ひどく動揺。


助産師さんに慌てて電話すると、
少し横になって様子を見てみようとのこと。

気を紛らわそうと、
好きな番組「プロフェショナル」を見始めるも、
お腹がぎゅうぎゅう痛い。
時計を見ると、5分間隔ではないか!

そこにタイミング良く帰ってきた旦那に伝えると、
旦那もひどく動揺。
急いで助産院に向かう。

助産院まで車で30分。
波のように繰り返す陣痛に必死に耐えながら、
車内で出て来やしないかとドキドキ。。
どうか無事に辿り着くよう祈る。

道を間違えず、何とか辿り着いた助産院。
助産師さん2人の声を聞いて、
「これで大丈夫」って思えた。


陣痛の波が引いた隙に一気に分娩部屋へ移動。
「あんたが楽な姿勢で寝転んでー」と言われ、
畳の部屋。必死で横向きに寝転ぶ。


「汚れたらあかんから脱いでおきやー」と言われ、
喪服のスーツを脱ぎ、
黒のピチピチのインナーに、
これまた黒のピチピチのスパッツ。というハレンチな姿で、
出産に挑むこととなった旦那。

前回の検診で、へその緒が首に巻いているのがわかったのだけど、
「赤ちゃん自身の力で、
 首が締まらないように、へその緒をほどきながら、
 ゆっくり下りてくるから心配いらんでー」と言われたとおり、
ゆっくりゆっくり下りてくる赤ちゃん。

自分でも驚くほど冷静に、
陣痛の波に乗るように、
赤ちゃんの呼吸に合わせるように、
ゆっくり呼吸する感覚がどこか心地良くて
(といってもものすごく痛い)
陣痛がおさまっている間、
助産師さんが「あんたたち、今までよう頑張ったな。」と
声を掛け、励ましてくれる。

そうこうしているうちに、
赤ちゃんの頭がすぽっと股にはまったのがわかった。

片方の手で私の手を握り、
片方の手で私の足を担ぎ、その間にカメラも構えつつ。
と大忙しの旦那。
助産師さんの肩に足をのせていきむ。

「赤ちゃんの頭が出てきたから触ってみー」と言われ、
恐る恐る手をやると、ペタッとした髪の毛に触れた。

頭が出たり、引っ込んだり。

みんなで合唱する掛け声。部活みたいだー。
「次の波が来たら、外に出してあげる」
そう思って、力いっぱい込めると、
赤ちゃんはつるり。と出てきました。

日付が変わる直前の11:58


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長い長い臍帯。
想像以上に大きく、赤く艶やかな胎盤。
隣にやって来た赤ちゃんの、
はるとが産まれたときの顔とそっくり!なこと。
「わぁ!」と思わず、声が出る。


きっとこの子は、おじいさんの生まれ変わりで出てきた。
はるとが立ち会えなかったのは残念だったけれど、
きっと今日。この日にやって来たかったんだな。

生と死。逝く命と降りて来る命。
泣いたり笑ったり大忙しの旦那。
ここまで来れたこと、そして旦那への感謝と愛でいっぱい。
ほんとうにほんとうにありがとう。
そして、これからもよろしくね。

助産師さんに促されて、
照れながらも、旦那がぎこちない言葉とお疲れさまのキスをくれた。
(この助産院では、そういう決まりがあるとのことで。
 普段、人前ではそんなことは絶対しない主義)

信頼するひとたちに包まれて、
すべてが解き放たれたように、
清々しい気持ちに満たされ、
楽しかったー!と心の底から思えた
しあわせなお産で、
こんなお産があるんだなぁ。と
大きな希望の光と出会ったような。

いろんなお産のかたちがある中、
これが私の今回のお産のかたちでした。

思いがけず、帝王切開を余儀なくされ、
とても辛かった。と気持ちを話してくれたひと。
こどもに恵まれず、辛い気持ちになったこともあったけれど、
しあわせなお産をしてほしい。と願えるようになったことに感謝。と
伝えてくれたひと。


生と死の間に満ち溢れる
喜びと悲しみ。
どんなかたちであれ、
生まれてくる命は、かけがえのないもので、
両親だけでなく、全ての大人が、
この小さな命たちを見守り、支えていけたら、
どんなに豊かな世界になるだろう。

いろんなひとたちの思いを心に受けて、
私なりに新しい命と向き合った数ヶ月でした。
温かく見守ってくださった方たちには、
ほんとうに感謝しています。

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この子の歩む日々が、
生まれてくる全ての小さな命たちが、
希望を紡ぐ、あたたかなものでありますように。




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1ヶ月の産褥期をきっちり休まないと、
年を重ねてから、ツケが回ってくるよ。と脅されたので、
PCを一切触らず、身体や目を休めることに専念。
そのお陰で、少しずつ身体は回復してきました。

市の再開についてのお問い合わせもちょこちょこいただいておりますが、
詳細が決まったらお知らせします。

久々の赤ちゃんとの生活。寝不足でフラフラ・・ですが、
今は、目の前の小さな命とひたすらに向き合う時間を
出来るだけゆったりとした気持ちでめいっぱい楽しみたいと思います。

少ーしずつの更新、活動再開となりますが、
どうぞよろしくお願いいたします。


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